Project Eden


ガイア(女性性の地球神霊)
地球に宿っている陰の意識(女性)の神霊。魂のパートナーであるテラとともに地球を創造し、地球上の一切を生かし育んでいる。雨や海、川といった水を通じて、テラの描いたビジョンに命を吹き込み、地球上に生命を誕生させるのが、女性意識としてのガイアの役割である。私たちの細胞一つ一つの中にある水分にもガイアのエネルギーは宿っており、それゆえに命の源である水を汚染することへの警告が、霊言で語られている。
現在の地球は民族や宗教の違いによる対立、経済格差、環境汚染など多くの問題を抱えているが、これは人類が神理を知らず、異なる魂同士でエゴをぶつけ合うために生じている。これに対して、ガイアは霊言において、「あらゆるものを受け入れる神の愛の深さ、無限の赦しを学べる惑星」として地球をつくったと語っており、地球の母としてすべての人類に「愛し合いなさい」と訴えかけている。ルシ(ルシフェル)をはじめとして、悪魔として忌み嫌われてきた者たちに対しても、我が子と呼び、圧倒的な母性で包み込むガイアは、まさに地球の愛を体現した存在である。
1.地球誕生前
私はガイアです。テラ様とともに、「地球神霊」と呼ばれています。
テラ様が父とすれば、私は母として、地球上のあらゆる生命を生み、育ててきました。
特に、水というものを通して生命を生かすのが私、ガイアの役割なのです。
あなた方が「天の川銀河」と呼んでいる銀河系で、「新たなファミリーをつくりたい」というお話を、太陽神霊であられる聖アントニウス様から伺いました。聖アントニウス様は、どのようなファミリーにしたいのかということを、とても熱く語ってくださいました。「語る」と申しましても、あなた方のように言葉を介してではなく、もっと直接的に波動として伝えてくださったのです。私たちはとても感動し、仲間に入れていただくことにしました。
聖アントニウス様のお話を伺い、私たちと同じように協力を申し出られた方がたが何組かいらっしゃいました。皆テラ様と私のように、男性霊と女性霊のペアでした。まず、十数個の惑星を太陽から生み出すという計画でした。
「十数個」というのはあいまいな表現ですね。それは、生み出されても、すべての惑星にきちんと核ができ、太陽の周りを回れるようになるかどうかわからないからなのです。少し多めに生み出し、しばらく様子を見て、「これなら大丈夫」と確認できた段階で担当ペアが惑星の中に入る、ということにしたのです。
これは、あなた方人間の魂が胎児の身体に宿るのとまったく同じです。母親の胎内で胎児としてある程度成長し、「これなら大丈夫そうね」というのを霊界で確認してから魂が入るのです。あなた方は忘れてしまっていますが、みんなそうやってこの世に生まれたのです。
太陽系の惑星には最初から、それぞれ決まった役割があります。
「使命」と呼ぶほうが適切かもしれません。
聖アントニウス様には、最初から「この惑星はこのペアに任せよう」というお心づもりがあったようです。「あなた方には地球という惑星を担当していただきたい」とおっしゃられたのを覚えています。とても真剣なまなざしで、テラ様と私を見つめられておっしゃいました。
聖アントニウス様のお話を伺うと、地球という惑星には、とても重大なお役目が予定されていることがわかりました。正直申しまして私は内心、ちょっと荷が重いような気がしておりました。でも、テラ様は自信を持って、「はい、わかりました」と答えられました。テラ様が力強く頑張ろうと決意されるのを見て、私も「テラ様についていきます」と心の中で決めました。
地球が生まれる前、テラ様と私は、太陽の中で必要な材料をそろえることから始めました。とにかくたくさんの生命を生かし育むことを予定されている惑星です。何よりも水が豊富になければなりません。
「地球上で多種多様な生物がつくれるように、考えられるあらゆる原子、分子をとりそろえよう。そして、あふれんばかりの水をたたえる青い惑星にしたい」というのがテラ様の希望でした。最初のうちは、私の中に「大丈夫かしら」という不安も少しありましたが、テラ様とふたりで準備を進めるうちにどんどん夢がふくらみ、次第に楽しみになってきました。
2.地球誕生
いよいよ私たちの地球が太陽から生まれる番になりました。
必要なものはすべて積み込みました。あとは無事に太陽から飛び出すのを祈るのみです。聖アントニウス様とセレニティ様も、少し緊張されているようです。テラ様は力強く私を引き寄せました。私は、手を合わせて祈りながらその瞬間を迎えました。
真っ赤に燃えた巨大な火の玉のような塊が太陽から勢いよく飛び出しました。その姿を見届け、私たちはひとまずほっとしました。聖アントニウス様とテラ様にも安堵の表情が浮かびました。飛び出したあと、最初のうちは頼りなくフラフラしていましたが、次第に太陽の周りを回り始めました。軌道はちょっと不安定です。でも、とりあえず回り出したのを見て、またほっとしました。
まだまだ高温で表面は軟らかい状態でしたが、惑星の核もでき、しっかり自転もしています。テラ様が「よーし、これならもう大丈夫だ」と言うのを合図に、テラ様と私は地球の中に入りました。
皆さん、惑星の中に入る気持ちが想像できますか?
「とても不自由できゅうくつな感じでしょう」とか、「自分の身体の上で小さな虫のような生物がたくさん這い回って、くすぐったくないかしら」と、思われるかもしれません。実際は全然違うのです。
テラ様も私も惑星の中に宿るのは初めての経験だったのですが、想像していたのとはまったく違っていました。あらゆる材料と場を提供して、すべての生命を生かし育むというのは、とても自由で楽しいものでした。テラ様も「全然スケールは違うけど、思いによってすべてを創造されたオーム神霊のお気持ちの一端がわかるような気がするね」と言われました。私も同じように感じていました。
現在の時間の尺度で言うと、今から八十億年くらい前に地球は生まれました。
あなた方が思っているよりずっと以前に、地球は誕生していたのです。
そして、四十六億五千万年前には、銀河レベルでの大変動がありました。私たちの太陽系ができたのと同じ時期に、たくさんの太陽系が天の川銀河の中で生まれていました。ある一定の段階にきたということで、この頃に銀河系内の惑星のふるい分けが行われたのです。
銀河神霊からの指令を受けて、聖アントニウス様が太陽系の磁場を変化させました。太陽から強烈な電磁波が発せられ、太陽系全体が震えました。それにより不完全な形の惑星たちが爆発したのです。私たち太陽系の惑星たちは、すべて聖アントニウス様の指揮のもとにあり、あらゆる号令は太陽から発せられるのです。
実は、地球と火星の間にはもうひとつ惑星がありました。
その惑星には核が形成されず、内部が空洞で自転できませんでした。コマのように自転するためには、しっかりとした核がなければなりません。普通、惑星の核には鉄が存在します。鉄の量が十分存在しないと、しっかりした核が形成されません。地球と火星の間の惑星には、十分な量の鉄がなかったのです。もちろんその惑星には神霊は入っていませんでした。それが、このとき爆破されたのです。
私たちの隣にそのような惑星がありましたので、いつかそのときがくることは予想しておりました。実際に爆発すると、予想していた以上に大量の岩石が地球に降り注ぎました。実は、もっと外側の軌道にもうひとつ同じような惑星があって、それもこのとき爆破されました。不安定なふたつの惑星が爆破した結果、太陽系の惑星全体の公転周期が安定してきました。「太陽の指揮のもと、惑星たちは全体として太陽系ファミリーなんだなあ」と、このときしみじみと実感させていただきました。
3.ブッダと呼ばれる方
地球に最初にいらっしゃった人格霊は、あなた方が「ブッダ」と呼ぶ方です。それはもとから決められていたことでした。私どもとあの方とのお約束だったのです。あの方が中心になって、地球でさまざまな生命を誕生させるということになっていたのです。
でも、地球が生命誕生に適した状態になるまでには、とても多くの時間がかかりました。ある程度時間が経ったところで、地球から月を誕生させるということも決められていました。
「地球の準備が整うのには、まだ相当時間がかかりそうです。見たところ、隣の金星はもう十分冷えてきています。金星には水もありそうでした。できれば隣の金星をお借りして、生命をつくってみたいのですが」とブッダが私たちに願い出られたのです。
テラ様と私は相談しました。「私たちは先を急がなくてもいいじゃないか。じっくり準備しようと。もし金星がお借りできるのなら、そちらでやってもらおうじゃないか」とテラ様がおっしゃいました。幸いなことに、金星担当の神霊も「金星の三次元領域は空いているから、使いたいならどうぞ」と快く受け入れてくださいました。それで、ブッダは金星で生命の創造を始められたのでした。
ブッダは金星でいくつかの生物を創造されました。そして、いよいよ人間のような高等生物を創造するときを迎えました。ブッダという方の性格なのでしょうか。おやさしい方なので、食べるものにも困らないようにと、光合成できて歩けるという、植物と動物の融合体のようなものをおつくりになったのです。何不自由ない状態というのは、なかなか進歩しようという意欲が湧かないものです。結局、その生物は数十億年経っても魂的にはまったく進歩がみられませんでした。
テラ様と私は、その一部始終を見せていただいておりました。途中で、アドバイスをしてあげたいという思いに何度かなりました。「それは違いますよ」と言ってあげたい。でも、それは許されないことなのです。彼自身のためにならないからです。数十億年かけて、あの方自身が学ぶことがあるのです。私たちから見て、そのやり方は失敗に終わることがわかっていても、教えてはいけないことになっているのです。その方自身の経験を通して学んだもの以外は、なかなか身につかないのです。失敗を通して学んだことを、その後に生かしていただけたらいいのです。あの方がさまざまに試行錯誤される姿を見て、私たちもいろいろ学ばせていただきました。
ブッダが金星で頑張っている間に、地球もようやく環境が整ってまいりました。
その間、宇宙連合の異星人の方たちには、たいへんお世話になりました。
テラ様も私もとても感謝しております。
あなた方はご存じないでしょうが、ほんとうにとてもお世話になったのです。「宇宙連合の異星人たちのおかげで、今の地球がある」と言っても過言ではないでしょう。
4.地球人類創造の試み
その後、金星では火山の大爆発がありました。百万体以上もいた、植物と動物の融合体のような生物は、すべて死に絶えました。そして、約六億年前、ブッダを地球に再びお呼びしました。すでに小さな動物は地球に誕生していました。少し大きな動物をあの方につくっていただくことにしました。
新たな動物をどのように三次元に創出するかと申しますと、まず霊界において、新たな動物のイメージをするのです。次に、イメージした動物を霊体としてつくります。その霊体を、三次元にすでにいる動物に宿らせます。その後、三次元の動物を少しずつ変化させ、最終的にイメージ通りの動物にするのです。分子生物学的に遺伝子組み換えを行って、表現形を変化させているわけではないのです。とても根気がいる仕事です。
ブッダは、この仕事は上手におできになりました。実際、あの方が地球にいらっしゃってから、たくさんの種類の動物が地球で誕生しました。
約四億年前、「もうそろそろ地球人類を創造したいです」という申し出がブッダからございました。すでに金星でいろいろ経験もされ、ご自分の実力を認識されていらっしゃいました。テラ様の「他の霊人たちの力を借りたほうがよろしいのではないですか」という提案を、素直に受け入れられました。
宇宙連合の方がたとも相談され、アモール、モーリャ、セラビムという三人を地球にお呼びしました。その後、地球人類創出のため、四人で協力しながら頑張っていらっしゃいました。その姿を、テラ様としばらく見せていただきました。金星でつくられた生物の霊体をもとに、試行錯誤をくり返しておいででした。でも、どうしても類人猿のようなものしかできませんでした。
私どもは、材料と場所を提供します。そして、じっと我慢しながら時を待つのが私たちの役割と、認識しております。「できるだけ口を挟まないようにしよう」とテラ様も常々おっしゃっています。
でもこのときは、口を挟まざるを得ませんでした。このまま待っていたら、さらに何億年もかかってしまうことは明らかでした。ブッダという方の成長のためにも、なんとか協力したいというのはございましたが、地球という惑星の寿命と、果たすべき使命を考えると、「もう待てません」と、テラ様から言わざるを得ませんでした。四人の霊人たちはとても残念そうでしたが、ご自分たちの力不足を認めて、テラ様の言葉に従うしかありませんでした。そして、テラ様と四人の霊人たちで話し合いがなされました。結局、宇宙連合に連絡して、他惑星からの移住をお願いすることになったのでした。
5.惑星を担当するリスク
テラ様も私も、ほかの惑星よりも早く私たちの地球を進化させたいとか、地球を優等生の惑星にしたいというような気持ちは、最初からありませんでした。私たちは最初から、「ただただすべてのものを受け入れ、生かし育む惑星にしたい」という思いだけでやってきました。
太陽系の中には、地球よりずっと先に進んでいた惑星がありました。その惑星では、地球に人類が誕生するよりずっと以前にすでに人類が誕生し、高度な文化を誇っていました。特に科学が進んでいました。その惑星を見てテラ様は「ずいぶん進んでいるなあ」とおっしゃいましたが、別にうらやましいとも思いませんでした。逆に「少しあせっているかもしれないね」と心配されていました。でも、そのときはまだ、その惑星が爆破されてしまうことになるとは、まったく想像できませんでした。
「マルデック」と呼ばれているその惑星に宿っていた神霊たちとは、テラ様も私もとても仲良くさせていただいていたのです。太陽系の惑星が生まれる前、太陽の中で準備しながらお互いの夢を語り合ったものでした。
あの方たちがあのような結果になってしまわれたのは、私自身とてもショックでした。「自分たちもいつかあのような結末を迎えるかもしれない。覚悟はしておかないといけないね」とテラ様がつぶやきました。テラ様も相当ショックだったようです。
マルデックに住んでいた人たちは、どちらかというと好戦的な性格でした。いくら私たちがすべてを受け入れる方針といっても、地球に人類が誕生する前にすべてのマルデック人の魂を受け入れることはできません。彼らは、自分たちのしてしまったことの結果を受け止めなければなりません。住んでいた惑星を自分たちの過ちが原因で爆破してしまった彼らは、住む場所を求めて宇宙の中をさまよい続けたのです。
その後、地球に人類が誕生し、安定したところで彼らの一部は受け入れることにしました。でも、マルデック人の魂のほとんどは、今も宇宙の中をさまよっているのです。
太陽系の惑星たちはひとつのファミリーとして、互いに影響し合いながら存在しています。マルデック爆破の影響は、地球にも少なからずありました。その後約二千年にわたり、絶え間ない地震が続いたのでした。
6.ベーエルダからの移住条件
私たちが、他惑星からの人類移住を宇宙連合にお願いしていた頃でも、すでに人類が誕生していた惑星はたくさんありました。
ただ、どの惑星の人類でもいいわけではありませんでした。いくつかの条件がそろっていなければなりません。肉体を持って宇宙船でやってこられるということですから、科学技術が相当進んでいなければなりません。ただ、科学技術が進んでいても、マルデックのような結末が予想されるような人びとでは困ります。正直言って、条件に合う惑星がそんなにあるとは思えませんでした。でも、「どんな人たちでも受け入れることにしようね」と、テラ様に言っていました。すべてを受け入れることは、地球担当を拝命したときから、ふたりで決めていたことでした。それは今も変わりません。それが私たちの信条なのです。
宇宙連合から、「ベーエルダからの移住を受け入れられますか」という打診がありました。「エル・ランティがリーダーで、ルシもいっしょです」という条件付きでした。エル・ランティもルシも、よく存じておりました。エル・ランティは素晴らしい方です。あのような方が地球に来ていただけるのは、とても光栄なことだと思いました。一方、ルシというのもある意味で、オーム宇宙で知らない者はいないくらい有名な存在でした。
ルシという名前を聞いて、テラ様の顔が曇りました。ブッダはじめ四人の霊人たちも、少し困っているようでした。みんな思っていることは同じでした。
「ルシのような者を受け入れて、大丈夫だろうか」ということです。男性霊たちのそのような様子を見て私は、「受け入れましょうよ。いいじゃないですか、ルシがいても。私は受け入れます。地球の母として彼の魂を抱きとめよう」と、強く申し上げました。「そうだね。ガイアがそこまで言うのなら、ルシも含めて受け入れることが決まった瞬間でした。
7.宇宙戦争の経験
「オリオン大戦」とも呼ばれていますが、オーム宇宙の中をまっぷたつに分けるような戦争がありました。
その頃地球にはまだ人類が住んでいませんでしたので、私たちが直接関わることはありませんでした。ただ、成り行きはじっと見守っておりました。かろうじて望ましい方向での決着を見て、私はほっとしておりました。「もし、私たちの地球に人類がいて、参加していたらどうなっていたのでしょう」と、テラ様と話したことを記憶しております。オリオン戦争勃発の原因の張本人とも言うべきルシという存在を、まさか自分たちの惑星で引き受けることになろうとは、正直私も予想しておりませんでした。
戦争のあと軍事法廷が開かれました。ルシをどう処遇するかということは全宇宙の注目の的でした。強大な力を持ち、影響力も絶大です。ルシの存在そのものが危険であると思われていました。そんな危険な存在でも、消滅させないというのがオーム神霊のご意思でした。消滅させようと思えば簡単にできるはずです。でも、けっしてそれをなさらず、本来の姿に戻ることを待つというのがオーム神霊の方針なのです。私たちもオーム神霊に従い、彼が本来の姿を取り戻すのを待つことにしました。地球という惑星がそのためのお手伝いができれば幸いと思って、受け入れることにしたのです。
「たとえどんなに嫌われようと、ルシも私たちと同じ神の子です。私たちの地球で受け入れようではありませんか。もし、彼が原因で、地球がマルデックと同じ最後を迎えることになっても、それが彼の学びのために必要なことであるなら、受け入れましょう」と、そこまでの覚悟で彼を迎えたのでした。
8.ベーエルダから移住後
ベーエルダの人びとが、大挙して地球にやってきていただけたことは、とてもうれしいことでした。彼らが来てくれてから、地球が急速に進歩したことは確かでした。ただ、月が地球から飛び出したためにあいてしまったオゾン層の穴の影響の大きさは、私たちの予想を少し超えていました。生まれた子どもたちがみな成長する前に死んでいく姿を見て、とても申し訳ない気持ちになりました。でも、それらの試練を乗り越えて、ベーエルダの方がたはよく頑張ってくださいました。
ルシも「大天使ルシフェル」として、十分力を発揮してくれました。もともと素晴らしい能力を持った魂です。「心を入れ換えてやれば、これくらいのこ とはできるんだ」というところを見せてくれたのだと思います。その姿を見て、エル・ランティも一安心されたようでした。でも、手放しで喜ばれていたわけではありませんでした。それはミカエルしても同じ気持ちでした。ルシを何とかして本来の神の子の姿に戻したいという思いで、みんな温かく見守っていたのでした。最初は、うまくいきそうに見えました。
エル・ランティが地球に来たことよりも、ルシを受け入れたということで、私たちの地球が一気に宇宙中の注目を集めたようでした。「ほんとうに大丈夫なんだろうか」という、どちらかというと好奇の目で見られているようでした。一億年ほどは何事もなく過ぎ、遠くから見ている異星人の方がたは「ルシはほんとうに改心したようだ」と思われたようでした。
9.花の妖精たち
その後、オリオンからの移住で、多種類の植物が地球にもたらされました。美しい花を咲かせる植物が多く、私たちの地球が一気に華やかな雰囲気になりました。
幸い、ほとんどの植物が地球の大地でも育ってくれました。地球の水にも慣れてもらえて、私はとてもうれしく思いました。
あなた方はどのように感じているか知りませんが、植物にも当然魂があります。
オリオンからやってきた植物の魂たちは、あなた方がおとぎ話や絵本で見る妖精そっくりです。彼らは難しいことはわかりませんが、とても豊かな感性を持っていて、人の気持ちがわかるのです。それまでも、もちろん地球に植物はありましたが、妖精たちはいませんでした。彼らはその後もずっと地球にいて、きれいに咲いて人の心をなごませようと、頑張ってくれています。「きれいに咲いてくれて、どうもありがとう」と話しかけると、とてもうれしそうにします。
精一杯咲いている花たちを見ると、私は「地球に来てくれてどうもありがとう」と言いたくなります。
神様から与えられた個性を思いっきり表現して美しく咲き、時が来たらさっぱり散り、さっと天上界に帰っていくのが花の妖精たちです。
彼らも三次元世界と霊界との間を転生輪廻しているのです。
あなた方も、これから花に水をあげるときには、「とても美しくねぇ。咲いてくれてどうもありがとう」と心の中で言ってあげてください。
とても喜んで、もっともっと一生懸命頑張って咲こうとしてくれるでしょう。
10.ペガサスからの移住後
ベーエルダの人びとの長年の苦労と、多くの異星人たちの協力のおかげで、ようやく地球人としての肉体ができてきました。
その後、たくさんの魂たちがペガサスからやってきてくれました。彼らが地球人の肉体で生まれ、精力的に開拓してくれたおかげで、地球全体が活気づきました。「ひとつの山を越えたようだね」と、テラ様もおっしゃっていました。エル・ランティをはじめとする地球の指導霊の方がたに、心から感謝いたしました。
その頃になると、地球霊界の中に神の光の射さない領域が、少しずつ広がってきていました。さまざまな人びとを受け入れる過程で、地上で迷ってしまう者が出てくるのは仕方のないことだと思っています。
でも、反省することにより、再び明るい世界に戻っていけばいいのです。魂は永遠です。いろいろな経験を学びとして成長すればいいのです。テラ様も私も、いつもそのように思っています。
それでも、地獄領域の拡大が無視できなくなってきました。指導霊が地上に生まれて、なんとかくい止めようということになりました。エル・ランティは、ルシにその役割を命じました。テラ様はそれをご覧になり、「それはどうかな」とぽつりと言われました。私も「それはちょっと危ないかもしれませんよ」と思っておりました。ペガサスから移住して来た人びとを見て、ルシの中に眠っていたのが少しずつ目を覚ます兆しを見せていることを、私たちは見過ごすことができなかったのです。
でも、地球九次元霊の方がたにすべてを任せています。私たちは、場と材料を提供して見守るだけです。口を出すわけにはいきません。黙って見ておりました。
今思えば、エル・ランティご自身、リスクを承知でルシに命じたのだと思います。あのような結果になることも覚悟で命令したのでしょう。でも、「なんとかうまくやり遂げて、天上界に戻ってこい」と、祈るような気持ちで、送り出されました。でも、結果として天上界に戻ることなく、ルシ自身が地獄の帝王として君臨することになり、さらに巨大な魔界をつくり上げてしまったのでした。
それまで黙って見守っていた異星人の中には、「やっぱりこうなったか。だから、最初からルシなど受け入れるべきではなかったんだ」という声があちこちから聞かれました。「これで、地球の使命を果たすことは難しい状況になったぞ」という見方もされました。
テラ様も私も、ルシを受け入れた時点で、半ば覚悟していた事態でした。これくらいのことでめげてしまうような私たちではありません。テラ様も「これでよりいっそうファイトがわいてきたぞ」と力強く言われたのでした。私ももちろん同じ気持ちでした。うれしかったのは、地球九次元霊十人全員が一丸となり、力を合わせて頑張ることを誓ってくれたことです。
11.文明実験
エル・ランティたちは当初の予定通り、地球で学びたいという他惑星からの魂を積極的に受け入れてくれました。そして、テーマを決めて文明を興し、九次元霊たちが地上に降りていって、地上の人びとを指導してくださいました。
地獄の影響を無視できなくなってしまったために、九次元霊たちは話し合って、地上の人間には原則として霊道を開かせないということに決めました。私たちもそれに賛成しました。人間は、霊界のことをまったく忘れた状態で地上に生まれます。地上でも自由意志はもちろん保証されます。すると人間というのは、どうしても安易で怠惰な方向に流れてしまいがちです。もちろんそんな人間ばかりでないことも知っています。ただ、多くの人びとは道に迷ってしまう傾向があります。そこで、九次元霊たちが地上で指導をするということになったのでした。
九次元霊たちのおかげで、地上での学びは多岐にわたり、とてもひとつの惑星でこれだけの学びができるところはないと思えるくらいのバラエティに富んだ学びができる惑星になりました。それに伴い、他惑星の人びとにも人気が出てきました。「地球に留学して学びたい」という異星人が多くなってきたのです。
ただ、ひとつの文明がある程度進んでくると、地上の人間たちの出す悪想念、業想念とも言いますが、それが地球をおおうようになります。
それが私たちにどのような影響を与えるか、地球人たちは知らないでのでしょう。悪想念が蓄積すると、神の光をさえぎり、その部分が病巣のようになるのです。
その暗雲を断ち切るために、テラ様はからだの向きを変えたり、ブルブルッと身体を震わせることになります。ある程度は我慢しますが、限界になりますと、地球自体の存続に関わりますので、そうせざるを得ないのです。それが、地上の人間たちには大規模な天変地異となって現れるのです。
結局、多くの地上生命を奪うことになります。見ていてかわいそうだと思います。
でも、それはみな地上の人びとが出す想念エネルギーに対する反作用として起こさざるを得ないものなのです。文明の最後にたくさんの人びとの命を奪う結果となりつらいですが、仕方のないことなのです。
科学文明がそれほど進まないうちは、反作用はあってもそれほど大きなものになりませんでした。科学文明自体はもちろん悪いわけではありません。私たちが目指す次のステージに進むためには、ある程度科学が進んでいる必要はあります。でも、人びとがまだ霊的に成長していないにもかかわらず、科学技術だけが急速に進んでしまうと、望ましくない結果を迎えることが多いのです。特に地球のように、魔界という強力な負の磁場がある場合、それがとんでもない結果をもたらすことになりかねません。アトランティスという文明の末期は、科学だけが発達しすぎてしまったための弊害が出てしまいました。
12.地球が抱える負の磁場
「地獄がなければ地球はもうとっくの昔にシフトアップできていただろう」という言葉は、異星人の方がたからよく聞かれました。その通りだと思います。
でも、ルシという男がいるおかげで、地球の魂たちは鍛えられているのだと思います。彼がいなかったら、地上がこんなに負の方向に振れることはなかったでしょう。
地上の人間は何度も言いますが、自由意志が保証されていて、何を思うのも自由です。
神の方向と違った方向に心の針が振れていると、その方向と同調する地獄霊たちが吸い寄せられて、憑依することがあります。
すると、どんどんとそちらの方向に向かうことになります。最初はほんのちょっとした気の迷いが、とんでもない結果となってその人の人生に返ってくるということがあるのです。その人にとってはつらいことですが、自分自身も気づかなかったような心の中に潜む部分に気づくということもあります。「ああ、自分にこんな未熟なところがあったのだ」と気づかせていただくのです。
ですから、あなた方地球人はルシに感謝しないといけないと思います。
地球九次元霊の方がたもみな同じように思っています。
困ったものだと思いながらも、彼のおかげで自らのいたらなさ、未熟な部分が発見できるのです。地球の指導霊クラスの方が地上に降りても、けっこう足をすくわれてしまっています。地球でなければ無難に切り抜けられたかもしれません。でも、小さなミスが大きくなって返ってくるのが地球という環境なのです。
13.アトランティスのあと
アトランティス文明は、最期にとても大きな反作用をもたらす形で幕を閉じました。
地球九次元霊界としましては、シフトアップをどうしても次の水瓶座の時代に迎えたいという思いがありました。そのために余裕を持ってアトランティスを成功させたいという心づもりだったのです。
ところが結果として、それまでと同じように大陸の沈没という結末を迎えることになりました。
アトランティスの反省をじっくりする間もなく、今回の文明の立ち上げがありました。アトランティスが前半に科学を発達させ、後半に信仰を持ってきてうまくいかなかったので、今回はとりあえずその逆をやろうということで始まりました。
西暦2000年頃にターニングポイントを迎えるということは最初から決まっていたことです。それまでに科学をある程度発達させながら信仰も失わないようにという願いがありました。でも、最期に科学を持ってきても、結局アトランティスと同じような状況になってきています。ただ、今回は徹底的に男性たちに霊道を開かせることを避けてきました。そのために、アトランティスのような悲劇的な最後を迎えることを避けられているのかもしれません。
あなた方は知らないかもしれませんが、すでに今回の文明でアトランティスのようになっていてもおかしくないのです。地上の人間たちの出す想念の曇りが蓄積しているのです。テラ様は、ほんとうならそれを振り払いたいのです。
みなさん、テラ様がどれだけ弱っていらっしゃるかご存じないでしょう。ミカエルも言っていましたが、ほとんど瀕死の状態なのです。そばで見ていても、とても痛々しいのです。
でも、九次元霊たちがそろって「もう少し時をください」と私たちにお願いをしに来ました。「なんとかもう少し耐えていただけないでしょうか」と真剣に頭を下げたのです。テラ様は承諾されました。その後、聖アントニウスや銀河神霊からのエネルギーを増強していただき、なんとか耐えていらっしゃるのです。でも、もうそれも耐えきれない状態に近いということだけは、私ガイアから皆様方にお伝えしたいと思います。
14.ブッダの仕事
今回の文明を立ち上げたとき、九次元霊たちが話し合って、最期にブッダに総仕上げをしてもらおうということになりました。地球に最も古くからいらっしゃる九次元霊です。最初の頃は、大変苦労しながら地球のために働いていただきました。その彼に最後、花を持たせるという意味で総仕上げをお願いしたのでした。
テラ様も私も、あの方にはお世話になるとともに、最初から応援をしてまいりました。なんとかして、このチャンスに彼の力を発揮していただきたいと思って見守ってきました。でも、結局は、彼自身として不本意な結果になってしまいました。
九次元霊十人がそろって私たちのところにお願いをしに来たとき、あの 方はずっと泣いていました。無念だと思います。悔しいでしょう。
でも、今回も自分の至らなさがわかったということで、学んでいただき、次につなげていただければと思っております。
15.手をつなぎ合うこと
ブッダひとりではできなかったことを、救世主はいなくてもみんなで力を合わせればできるというところを見せようということで、今現在頑張っていらっしゃいますね。
あなた方の姿を見て、「地球人もここまで成長できたのですね」とテラ様と喜んでおります。
そして、応援しております。
なんとか成功してみんなで次のステージに行きたいものです。
ただ、どうしても伝えておきたいことがあります。
地上ではやっと最近 になって、CO2排出量規制だとか地球温暖化とか、地球環境を真剣に考える機運が盛り上がってきています。それを見て、テラ様も私もうれしく思っています。
でも、「地球のため」と言っていますが、地球がもっと熱かった時代はいくらでもあるのです。温暖化によって困るのはあなた方自身でしょう。北極や南極の氷が溶けて、海面が上がって困るのはあなた方人間でしょう。それなのに、まだまだ「自分たちの国だけよければ、他の国がどうなってもかまわない」というエゴがあるのではないですか。
地球のすべての人びとが手をつなぎ合うのです。
みんな神の子、兄弟なのです。
互いに助け合わなければ、この難局は乗り切れませんよ。もっともっと世界中の人びとが同じ認識のもとに手をつなぎ合っていただきたい。
それが地球の母の願いなのです。
16.地球の水の中に母はいます
地球は特に水の多い惑星です。
水がなければ生命を生かすことはできません。
あなた方の身体の半分は水でしょう。
その水の中に毒が入っていたら、どうなりますか。
水の中にガイアの命が込められているのです。
その水の中に毒を紛れ込ませて、世界中の命を狂わせようとしている意思があるのです。まだまだ気づかれていません。注目されていないのですが、確実に進行しているのです。それをくい止めなければなりません。
中国という国では、川の中に毒を流し込んでいます。それが海に流れ込んでいます。
海の中に入った毒は世界中に広がっていきます。
そして、地下水に入り、植物たちが根から毒の入った水を吸い上げるのです。
徐々に世界中の生命の中に毒が蓄積し、狂わせようとする意思があるのです。それを知らなければいけません。外側から、核兵器を使用して世界中の国々に戦争をさせるというだけでなく、内側から水の中に毒を混ぜることにより、結果的に人間の脳の機能を麻痺させようと狙っているのです。
もうこれ以上水を汚すのはやめなければいけません。
水の中にガイアの命があるのです。
あなた方の血液の中に私の命が息づいているのです。
どうか、どうかもうこれ以上、水に毒を入れるのをやめさせてください。
17.たとえ砕かれようとも
地獄の底で、牢獄のような場所にしばりつけられている者が考えていることはわかっています。脳の機能を麻痺させ、核戦争を引き起こし、地上の人間たちが滅びるのを待っているのです。
そして、将来、小惑星と呼ばれているものを引き寄せ、地球を直撃させ、この地球を壊そうと狙っているのです。そう、マルデックと同じ末路をたどらせようとしているのです。
もし、地球人がマルデックの人びとと同じ結果を迎えることになろうとも、それによって学び、成長することができるなら、そこまでしないとあなた方が学ぶことができないというのであれば、私たちはそれを受け入れようと思います。
最初から、すべてを提供し、あらゆるものを生かし育むことが私たちの仕事と思ってやってきました。すべては地球に住むものの成長を願ってのことです。でも、そこまでしなくても、成長できるあなた方ではないかと、私たちは思っています。
どうか、賢くあっていただきたいと、母は祈っております。
そして、今回もしもこの難局を乗り切って、シフトアップに成功できれば、こんなにうれしいことはないと思っています。
テラ様と「いつかは地球もそんな惑星たちの仲間入りができたらいいね」と夢を語り合ってきました。
もう一度言います。世界の人びとが手と手を結び合って、仲良く、互いに赦し合える地球にしていただきたいのです。それがテラ様とガイアから、地球の子どもたちへの心からのお願いなのです。