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Project Eden

1.科学の惑星ベーエルダ

私は今から約三億六千五百万年前、ベーエルダという大マゼラン星雲の惑星からエル・ランティとともに地球にやってきました。「エル・ランティ」と言っても皆さんご存じないですね。地球の今の文明では「ヤハウェ」と呼ばれている方です。この章では、地球人類がどのようにできてきたのかというお話をさせていただきます。

皆さんは、人類は進化の過程で生まれたと思っているかもしれません。実はそうではありません。地球人類誕生までには、想像を絶する長い苦労の歴史があったのです。その前に、私たちの母星であるベーエルダのことを、少し話しさせてください。

オーム宇宙の中でもベーエルダはとても古い惑星です。科学技術がとても発達していました。特に交通機関が発達していました。乗り物は、今の地球のような化石燃料で足るものではなく、宇宙エネルギーを利用していました。宇宙エネルギーは、排気ガスを大気中に出さないので、とてもクリーンなエネルギーです。宇宙エネルギーをどのように利用するかということも、地球がもうひとつ上の段階に進んだら、広く知られるようになるでしょう。宇宙全体から見たら、化石燃料を動力源のしている惑星のほうが少ないことは事実です。

私たちの肉体は、今のあなた方と同じ物質ではできていませんでした。物質自体の持つ波動がもっと精妙でした。今の地球のあなた方の肉体は、地球の長い歴史から見ても、とても波動の粗い物質でできていると言えます。

当時のベーエルダの科学レベルはとても高く、行き着くところまで行ったという感じでした。人びとの労働時間はとても短く、趣味に費やす時間の方がずっと長かったのです。それぞれの趣味に応じて、住むところもいろいろでした。空中庭園のように地上よりずっと高いところに家を建てて住む人もいました。海の中で魚が泳ぐのをながめながら暮らす人もいました。

面白いことにベーエルダの海は淡水でした。地球人にとって、海の水は塩分を含むのが当然でしょう。しかし、淡水の海の惑星もあるのです。海底に家をつくって住んでいた人は、海水から酸素を分離する装置をつくって生活していました。今の地球人が当時の私たちの生活を見たら、「もうこれ以上科学技術を発達させるのは無理でしょう」と言いたくなるような状況だったのです。

2.ベーエルダでの意見対立

ベーエルダは科学の惑星でしたが、科学者だけいたわけではありません。宗教もありましたし、宗教の指導者もいました。しかし、宗教はあまり人気がありませんでした。やはり、科学の指導者数が最も多く、人気があったことは確かです。

当時、「科学の発展だけがすべてじゃない。信仰も大切である。信仰あってこその科学の発展である。信仰と科学は両立させるべきものである」と主張していた科学の指導者がいました。それがエル・ランティだったのです。

彼はベーエルダの中でも有名な指導者でしたが、彼の主張は他の指導者たちの賛同は得られませんでした。「科学と信仰を両立させることなど無理に決まっている。まったく違うものをどうやって両立させるというのだ?我々の惑星は、科学技術面で宇宙の発展に寄与すればいいのだ」というのが、他の指導者たちの意見でした。

ベーエルダには、今の地球のような「神」という概念はありませんでした。しかし、「宇宙に偏在する愛のエネルギー」はみんな知っていました。実際に彼らはそのエネルギーを利用して生活していたわけですから、それは当然のことでした。でも、「それとこれは別でしょう」と言って、ほとんどの科学者たちは、信仰と科学とは別物ととらえていました。

ベーエルダの中にも、エル・ランティの意見に同調する者たちもいました。どちらかというと、私もそのひとりでした。私自身科学者で、科学の発展に携わっていましたが、心の中に何か満たされないものを感じていました。「このまま科学の発展に尽くしていれば、それでいいのだろうか」という疑問が日に日に大きくなっていたことも確かでした。

その頃でした。「エル・ランティが仲間を引き連れて、ベーエルダを出ていくらしい」という情報を耳にしたのです。それが具体的にどういう内容なのか、興味がありました。その後、エル・ランティ自身から、「私の意見に賛同する者たちは、未開の惑星に行って、理想実現のために新たなチャレンジをしようではないか」という話があったのでした。

私の中に、「ベーエルダの中にこのままいても、なんとなく満たされない日々が続くのなら、行ってみるのもいいかな」と言う気持ちが強くなってきました。何よりも私は、エル・ランティという方の人柄にひかれていました。「あの人についていきたい」と思っていたことは確かです。

3.霊界から地上へ

ベーエルダでも当然霊界はあります。地上の人に霊界を説明するのはとても難しいのですが、霊界にはたくさんの霊域があります。それぞれの霊域で、存在する霊人たちの存在様式が違っています。わかりやすく言うと、地上の人間と同じような姿をしている人もいれば、そうでない人もいるということです。霊体が持つエネルギーの大きさも個性もみな違うのです。

エル・ランティはとても巨大なエネルギー体でした。地上の人にわかりやすく言うと、巨大な雲が渦巻き状にゴーッという感じで存在しているのです。もうひとりの人間の中に入るような大きさではないのです。でも、同じくらい大きなエネルギーを持つ霊人は、ベーエルダにはたくさんいました。もちろんみんな指導者クラスです。

現在の地球では、一定間隔で地上に生まれてくることになっています。人によって地上に生まれてくる間隔が、二百年から三百年だったり千年だったりいろいろですが、ほとんどの人が一定間隔で地上に生まれているはずです。ところがベーエルダでは、各人の意思で生まれるかどうか決めていました。何らかの目的がある場合に限って、地上に生まれてきていました。単に地上が霊界より好きだということで、地上に生まれる人もいました。霊界にずっといたいという人は、そのまま何万年も生まれない人もいました。

未開の惑星に行く話は、実は私が霊界にいるときに聞いたものでした。
私は最初、その惑星には霊体で行くものと思っていました。霊体での移動は、そんなに難しいことではありません。ところが、よく聞いてみると、肉体を持っていくというのでした。正直「ちょっと大変だなあ」と思いました。「どうも私たちがその惑星の最初の人間になるらしい」とのこと。それを聞いて「ほんとうに何もないところで、ゼロから始めるということなんだ」と、改めて実感がわいてきました。現代の地球で、文明国から無人島に行って生活するという場合より、ずっと思い切りがいる決断だったのです。

未開の惑星行の希望者は、肉体を持っていかなくてはいけないので、一斉に地上に生まれることになりました。私は、すでに地上に肉体を持っていた知り合いのカップルに、生んでくれるようにお願いしました。生まれる前に、生んでくれるようお願いすること自体、別に特別のことではありませんでした。ごくごく一般的なことだったのです。もちろん、現在の地球では一般的ではありません。でも将来、地球もそのようになることが予定されています。生まれる前に親子となることに合意できていれば、人工中絶のようなことは当然なくなります。私は無事に生まれ、成人するまで育ててもらい、未開の惑星行のメンバーになることができたのです。

4.未開の惑星への大移住

約六千万人が大船団を組んでの移住でした。準備にも相当長い時間がかかりました。何を積み込むかということが大きな問題でした。誰も実際に行ったことがなかったので、どんな惑星なのかまったく見当もつきません。結局、考えられるあらゆる場合を想定し、積み込むものを決めるしかありませんでした。何よりも私たちの肉体を存続させることが最優先課題でしたから、未知の細菌やウイルスへの対抗手段は、専門家たちが議論に議論を重ねた上で、十分準備しました。

宇宙船の建造にも多くの日数が費やされました。長さ約一キロメートル、幅約五百メートルという大きさの母船が約五千でき上がりました。その中には大中小の宇宙船が入ります。母船内部には土を入れて、人工の沼もつくりました。ブタやウシのような家畜やたくさんの植物も積み込みました。ベーエルダのブタやウシは現在の地球のものと比べて二倍から三倍の大きさがありました。ネコも持っていくことにしました。

やっと準備が完了していよいよ出発となったとき、不安がまったくなかったと言えばウソになります。しかし、未知の惑星での新たな生活に対する夢と期待のほうが大きかったことは確かです。

私たちは、今の地球の年数で十年という長旅を続けることになりました。
もちろん、現在の地球のロケットのように化石燃料を用いて航行したわけではありません。各母船にはそれぞれ船長がいて、船長たちの「精神感応力」で宇宙空間に偏在するエネルギーを引いてきて、宇宙船の推進エネルギーとしていたのです。

宇宙空間は何もない真空の世界と思われているかもしれません。実際には宇宙空間は一様ではなく、大宇宙のエネルギーを引くことができる場所が決まっていました。そのようなエネルギーステーションでエネルギー補給をし、ワープ航法を使いながら航行してきたのです。それでも、十年もかかってしまったのでした。

十年の間にはさまざまな不安や不満が出てきました。宇宙船内で病気になる者もいました。ホームシックで帰りたくなってしまった人びともいました。実際、ベーエルダに引き返してしまった者たちもいました。旅を続けられたのは、私たちみんながエル・ランティに対する信頼を共有していたからかもしれません。「エル・ランティのことを信じようではないか。きっとその惑星はあるはずだ」と言いながら励まし合っていたのです。

それでも、正直言って宇宙船内の生活には飽き飽きしていました。ベーエルダではみんな自由にいろいろいなところに行って、好きなことをして暮らしていたので、宇宙船内に閉じ込められる生活に、息が詰まりそうになったのでした。

十年の長旅の果て、その惑星が窓の外に見えたときのことは、けっして忘れることはできません。青い惑星が太陽の光を浴びて輝きながら回っていました。私たちはその美しさに目を見張りました。母船内から一斉に歓声があがりました。涙を浮かべて抱き合う光景が、母船内のあちこちで見られました。それが、その後長い間私たちを生かしてくれた、地球という惑星との最初の出会いだったのです。

私たちが降り立ったのは、現在の地図で言うと、アフリカのナイル川流域でした。当時は緑が豊かな場所でした。最初に地質を調べ、どのような植物が育つか検討しました。実際に植物を植え、種をまき、地球に合うように育てていったのでした。もちろん人体に有害な物質がないかどうかも入念にチェックしました。大変手間のかかる作業でしたが、やりがいのある仕事でした。ベーエルダでは、植物の種をまいて、肥料を与えて育てて収穫するという作業はしていませんでした。それらの作業はほとんど機械化されていたからです。すべてが初めての作業で、みんなワクワクしながらやっていました。

5.将来の文明のために

私たちは、将来の地球文明に備えて、たくさんの仕込みをしました。そのひとつが、湖畔にシダ植物を植えたことです。地面に葉を広げているようなものばかりではなく、大木に育つタイプのシダ植物をベーエルダから持ってきていました。それをたくさん湖畔に植えたのです。

大きくなったシダは自然に倒れ、湖底に埋もれます。倒れたシダが堆積します。その上に土砂が堆積します。長いときを経て植物層は地中深く埋没することになります。地下の熱で高温になった植物層は熱分解反応を起こすのです。その結果、石炭になるのです。

「将来の地球文明の中で使われることもあるだろう」と、私たちが植えたシダたちが、石炭となって今回の文明で利用されることになったのです。石炭が産業革命を支えたのではないでしょうか。産業革命を契機として科学が飛躍的進歩を遂げたことは事実です。

「あのシダたちが今回の文明で役に立ったのだ」と、私たちには感慨深いものがあります。あなた方は「ほんとうにそんなことを考えてシダを植えたのかなあ」と信じられないかもしれません。ただ、はっきりしているのは、今回の文明で初めて石炭が使われたということです。

過去にムーやアトランティスという文明があったことを聞いたことがあるでしょう? 想像上の大陸や文明の名前ではなく、それらは実際にあったのですが、それらの文明では石炭は使われていないのです。もっと違ったタイプのエネルギーを彼らは使っていました。とにかく、ベーエルダから来た者たちは、あのときのシダが今回の文明で役に立ったということに喜びを感じています。

6.最初の難問

最初からすべてがうまくいったわけではありません。むしろ、難問が次から次にやってくる感じでした。それらを一つひとつクリアしていくことにも充実感を覚えたものでした。

しかし、どうしても乗り越えられない難問が持ち上がりました。それは、地球に来てから生まれた子どもたちがうまく育たないのです。子どもは免疫力が弱いので、最初は、細菌やウイルスの感染が原因と考えました。そこで、隔離して治療するための病院を建設し、無菌状態で子どもたちを育てることにしました。

しかし、治療のかいもなく、どんどん死んでしまうのでした。しばらくして、感染が原因でないことが判明しました。成長する過程で、子どもたちの細胞は細胞分裂をくり返しながら増えていきます。そのときに遺伝子に突然変異が高率に起こっていることが明らかになったのです。その結果、白血病や小児がんのような病気が高率で発生していたのです。

それらの病気の原因は宇宙線でした。
当時の地球は、現在のような厚いオゾン層でおおわれていませんでした。さらに、月が飛び出したために、オゾン層に大きな穴があいていたのです。そこから有害な宇宙線が地表に降り注いでいたのです。それらのことは、私たちがベーエルダから地球に来るときにはわかっていました。しかし、生まれる子どもたちに、これほどの影響を与えることは予想していませんでした。

オゾン層の修復はそう簡単にはできません。当時のベーエルダ人の寿命は二百歳から三百歳くらいでしたが、地球に来てから亡くなる人たちも出てきました。人口がどんどん減ってきました。このままではベーエルダ人たちの子孫が途絶えてしまいかねません。各専門家チームの代表が緊急招集され、どうやって事態を打開するか話し合いました。さまざまな意見が出ました。誰もが納得したのは、地下シェルターをつくって、避難することでした。

しかし、たくさんの人を収納する地下シェルターがそう簡単にできるわけではありません。とりあえず数千人を収容する地下シェルターを大急ぎでつくりました。専門家たちがそこにとどまり、調査研究を続けることになったのです。
多くの女性や子供たちはどこに避難したと思いますか?

他の惑星に避難したのです。それはエル・ランティの決断で決まりました。エル・ランティ自身が、女性や子どもたちを含む多くの人びとを引き連れて、他の惑星に向かったのでした。その惑星は私たちと同じ銀河系内にあり、とても地球に似ていました。またまた大量移住することになりましたが、今回はそれほど遠くありません。地球に残る専門家チームと避難した惑星とで、連絡を取り合いながら作業を進めることになりました。エル・ランティたちは、その惑星で子どもたちを育てました。地球に戻ってきたのは二百年後のことでした。

7.地球で続けられた研究

地球九次元霊界でも、月が飛び出たためにあいたオゾン層の穴が、これほどの結果をもたらすことは予想していなかったようです。この結果を見て、当時の九次元霊界では、四人の霊人たちがどんな話し合いをしたのでしょう。

もともとベーエルダ人の肉体は、地球の物質波動とは合わないことはわかっていました。彼らの肉体は現在の私たちとは違っていました。逆に言えば、私たちの今の地球人の肉体で、ベーエルダからやってきた当時の高度な宇宙船に乗って、ワープ航法をしようとしてもそれは無理なのです。今の地球人の肉体物質の粒子では粗すぎるのです。ベーエルダ人の精妙な波動の肉体を、地球環境に合うように調整はしたのですが、当時の過酷な環境下で人口を増やすことは無理だったのです。

もっと強い肉体にしなければ、地球で生き残れないことは明らかでした。当時、九次元霊と宇宙連合の異星人たち、そしてベーエルダの指導霊とが、地球霊界で頻繁に協議を重ねました。宇宙連合に属する異星人の多くは人間と似た形のヒューマノイド型でしたが、中にはは虫類型をした人たちもいました。彼らの身体、とりわけ皮膚は私たちのものより厚くて強力でした。

そこでまず、は虫類型の異星人とベーエルダ人の遺伝子をかけ合せることにしました。その結果、確かに強靭な肉体になりました。しかし、見た目がどう見てもは虫類で、何よりも彼らは卵で生まれました。

その肉体には、は虫類型異星人の魂が入り、性質もは虫類的でした。その結果を見て、またまた九次元霊たちが話し合いました。「あまりは虫類的になっても困る」という意見が大半を占めました。

ベーエルダ人とは虫類型異星人とのかけ合せは、DNA操作で行いました。当時の過酷な地球環境で生き残ることを優先した場合、人間的要素はとりあえず犠牲にせざるを得ないということでした。私自身この分野の専門家でしたので、このプロジェクトに参加していました。なんとかは虫類の性質を前面に出さないように、相当苦労して試行錯誤を重ねましたが、結果として、は虫類的要素が強くないと生き残れないことが判明したのでした。

少なくとも卵で生まれるのではなく、哺乳類としてもっと人間らしい姿にするにはどうするか。実際の現場でプロジェクトに携わる者として、我々の意見も求められました。

「今のは虫類的要素の強い人間と、ベーエルダ人とを何度かかけ合せることにより、次第に人間的要素を前面に出していくことはできないものだろうか?」という質問が出ました。それに対しては、「ベーエルダ人の性質を少しずつ増やしていくと、どこかの時点で生き残れなくなります」と答えざるを得ませんでした。

現場で数多くの試行錯誤を行った結果、
「ベーエルダ人とは虫類とのかけ合せで、生き残れるギリギリの限界にまでは虫類の遺伝子を減らしたのが、現在の姿なのです。人間的要素をもっと出すためには、ベーエルダ人よりも強靭な肉体を持つ遺伝子を入れるしかありません」
と言わざるを得ませんでした。

その内容を九次元霊たちに伝えてもらうことになりました。
それに対して九次元霊たちが下した決断は、モーゼの母星の人間を地球に連れて来て、は虫類的要素の強い人間たちと混血させるということでした。

8.強い人類にするために

蟹座の惑星からモーゼの母星の人びとを地球に呼び寄せることになりました。
彼らは身長が四メートル以上もあり、角が二本生えていて、形相はまさに鬼そのものでした。目がふたつだけでなく、三つある者がいたり、中にはひとつしかない者もいました。ベーエルダほど科学が発達していませんが、霊能力に長けていました。宇宙船を念力で操作して、約二百万人が地球にやってきたのでした。

私たちベーエルダ人が彼らの姿を初めて見たとき、腰を抜かすほどびっくりしました。肌の色は赤や青、緑とさまざまでした。中にはからす天狗のような顔立ちの者もいました。実は、天狗や鬼の祖先は彼らだったのです。天狗や鬼は想像上の存在ではなく、実際に地球に生きていたのです。現在はあのような姿で地上に生まれることはありませんが、地球霊界には今でもあの姿のまま存在しています。

地球にやってきた彼らは、モーゼの予想通り、は虫類的要素の強い人間たちと混血していきました。子どもたちは、卵で生まれることはありませんでした。彼らの目はふたつで皮膚は肌色で、かなり人間らしい容貌になりました。彼らは火をおこすことができなかったので、火山まで行って火を取ってきていました。

そのままでは進歩がなかったので、ベーエルダ人の魂が彼らの肉体に宿って、衣服を支給したりしながら、人間らしい生活ができるよう指導しました。一方で、彼らが自立して生活できるような指導もしました。何世代が経る中で、人間らしい姿を取りながら、過酷な地球環境下でも生き残れる肉体ができ上がってきたのでした。

だいぶ人間らしい姿になったのですが、問題がなかったわけではありません。
過酷な環境で生き残れるということは、動物的要素が強いといことでもあります。
当時、オスがメスの取り合いをする姿があちこちで見られたのです。そのような姿を見ながら私たちは、「過度期的な状況ではしょうがない。今はこのまま様子を見るしかない」と言っていました。実際彼らの繁殖力には目を見張るものがありました。

9.知的人間にするために

しばらくして九次元霊たちが協議しました。今回は我々の意見は求められず、あとから内容を伝えられただけでした。
「このまま動物的人間が知的になるのを待っているだけでもいいものだろうか」という問題提起がセラビム(孔子)からあったのです。地上の自由奔放な姿を見ていて、「彼らをそのまま放置しておいてはいけない」というのがセラビムの意見でした。

我々ベーエルダ人も、教育のために彼らの肉体に宿って頑張っていたのですが、限界を感じていたことも事実でした。結局、セラビムの母星である白鳥座の惑星からも人類を呼び寄せることになりました。

白鳥座の惑星の人びとの肉体は、やはり波動が精妙でした。知性的な人びとですが、科学的知性ではなく、どちらかというと徳を重んじるような知性でした。実際、彼らの惑星は秩序と礼節を重んじることを旨としていました。魂の性格は肉体にも表れます。

彼らのDNAを入れることにより、地球の動物的人間たちが少しは穏やかな性格になるであろうことは予想できました。地球にやってきた彼らは、見るからに折り目正しいという姿形をしていました。彼らのDNAは遺伝子操作により注入されました。結果として、予想した通りの人間らしい姿になってきたのです。

ただ、少し困ったことが起こりました。
白鳥座の人びとのDNAが入ることを拒否した一部の者たちが、反乱を起こしたのです。私たちベーエルダ人の言うことを聞かず、彼らは脱走してしまったのです。彼らは自分たちの種族がなくなってしまうことが我慢できなかったのです。そして、私たちから離れて生活するようになったのです。

しかし、私たちの保護なしに生きていくことはできませんでした。彼らは、しばらくして死に絶えてしまいました。その魂たちは、霊界に彼らだけの世界を形成したのです。彼らこそ妖怪の祖先たちなのです。
あとで知ったことですが、白鳥座の惑星の人びとを地球に招いたのには、深い意味があったのです。

どんなものにも陰と陽というものがあります。
現在の地球文明では、西洋が陽の文明であり、東洋が陰の文明であると言えます。
陽が積極的に外に向かう意識だとすれば、陰は自らの内に向かう意識です。
彼らは、地球の中に陰の意識を形成するため導入されたのです。
東洋の源流になる人びとだったのです。
地球九次元霊たちは、そのあたりまで考えて彼らを地球に呼び寄せたのでした。

10.試練のとき

動物的だった人間たちが、代を重ねるごとに次第に穏やかになってきました。
さらに、自分たちだけでもさまざまな工夫をしながら生活するようになったのです。それを見て、私たちは喜び合ったものでした。
ところが、そっと胸をなで下したのもつかの間、またまた私たちに試練のときがやってきました。

「氷河期」と呼ばれている時代が到来したのです。
あなた方は、氷河期にはまだ人間は生まれていなかったと思っているでしょう。
でも、人間たちはすでにいたのです。
氷河期がやってくることは、前もって予想されていました。私たちベーエルダ人たちは、それに対して準備を怠りませんでした。やっとでき上がった地球の種人種たちを死に絶えさせるわけにはいかなかったのです。
私たちは、氷河期をどう乗り切ったと思いますか?

地下に逃れたのです。
地下都市と言えるほどのものではありませんでしたが、相当広い地下空間に私たちは生活していました。ベーエルダから来た当初、大量の宇宙線から逃れるためにつくってあった地下シェルターを拡張したのです。そして、数千人が入って生活できる空間にしました。ベーエルダから移住してきたときに使っていた宇宙船内の設備を活用しました。

最も大切なのは換気でした。地上との間に換気通路をつくりました。ある種の金属を鋳造して生活に用いていました。

海で漁をするのが好きな人びとは、海岸付近に同様の地下生活空間をつくりました。そして、海で獲れた魚介類を食べて生活していたのです。内陸部の地下で穀物ばかりの生活をしていると、どうしても蛋白質が足りなくなります。栄養のバランスを取るために動物性蛋白質が必要でした。そこで、内陸部の穀物や鋳造した金属を持って海岸まで移動し、そこで獲れた魚介類と交換したのです。物々交換をしていたのです。

今振り返ると氷河期は、種人種たちを生き延びさせるために最も苦労した時期でした。

11.次の段階へ

私たちベーエルダ人が飛来してから、数千万年というときが流れました。私自身そのほとんどの時間を、地球人類を途絶えさせないようにということだけを考えて、ただただ必死に頑張ってきました。

長い氷河期も終わり、「ここまでくればもう大丈夫」と思っていた頃、上のほうから新たな動きの気配が感じられました。そう、新たな動きが起こるときは常に九次元霊界から、という決まりになっていたのです。
実は、今でもその決まりは変わっていません。
地上の人間が知らないだけなのです。
「もうそろそろいいだろう」と言われているといううわさも耳にしました。
何がもうそろそろいいのでしょう?

「そろそろ地球文明に芸術の彩りを添えようではないか」、そして、「もっと多種多様な植物がたくさんあったほうがいい」という話のようでした。次に何をするかは、九次元霊たちの間では暗黙の了解ができていたようでした。「そのときをやっと迎えられる地球になった」という感慨深いものがあるようでした。「このときを迎えるために、今まで地球の基礎固めをしてきたのだ」という声も聞こえてきました。

ベーエルダ以来の他惑星からの大移住があるということでした。
芸術の専門家たちが緑の惑星からやってきて、地球を美しく彩るというのでした。
彼らを迎えるため、みんなで力を合わせて準備することになりました。今回は十億人の大移住と聞き、私はびっくりしてしまいました。「今度はどんな人たちがやってくるのだろう」と思いながら、私たちは準備作業に入りました。どうも今回は、とても優雅で美しい人たちだということを聞いて、内心とても期待していたのでした。

12.緑と芸術の惑星から

いよいよそのときを迎えようとしていました。
空のかなたに宇宙船の姿が点のように見えてきました。
そのとき私は、ベーエルダから地球にやってきたときのことを思い出していました。

「あのときもこんなふうにしてやってきた。思い返せば、あれからいろいろなことがあったなあ」と、ひとり感慨にふけっていました。最初は点でしかなかった宇宙船の姿が見る見るうちに大きくなり、その全貌がはっきりわかるようになりました。

彼らの宇宙船は、私たちが乗ってきたものよりだいぶ小さいようです。私たちの母船は巨大な葉巻型でしたが、彼らのものは全体に丸くて、どことなく優美な感じがしました。優美な惑星という先入観がそのように思わせたのかもしれません。

しばらく見ていましたが、宇宙船の数がもっともっと多いはずなのに、見えてきませんでした。なんと、宇宙船の数は三つしかありませんでした。どうしたことでしょう。事故にでもあったのでしょうか。それにしても少なすぎます。

あとでわかったことですが、肉体を持ってやってきたのは数百人だけだったのです。残りのほとんどは霊体での移動だったのです。肉体で来た人びとは、彼ら自身の遺伝子を地球に持ってくるということと、大量の植物を受け渡すという任務があったのでした。つまり、宇宙船の中を満たしていたのはほとんど植物だったのです。

宇宙船が着地する姿を見て、私たちはみな自然に拍手していました。扉が開いて降りてくる人たちの姿を見たとき、「おーっ」という歓声があがり、拍手がさらに大きなものとなりました。宇宙船から降りてくる彼らの身体は透き通って見えたのです。もっと驚いたのは、彼らの背中には羽根が生えていたのです。大きい羽根や小さい羽根、いろいろです。その色や模様もそれぞれが個性的です。男性も女性もほぼ例外なく美しく、私はボーッと見とれていました。それまで、こんなに美しい人たちを見たことがなかったのです。

「芸術の惑星とはこのような人たちばかりが住んでいるところなのか。すごいなあ」と、感心したものでした。中には、ちょっと見ただけでは男性か女性か判断がつかないような人がいました。男性のようでもあり、女性のようでもある。見方によってどっちとも取れるという感じでした。

彼らが宇宙船に積んで持ってきた植物というのがまた、美しいものばかりでした。その当時の地球にも、ある程度の植物はありました。しかし、彼らが持ってきたような、美しい花を咲かせる植物は地球にまだありませんでした。広葉樹から針葉樹まで、とにかく種類が豊富でした。よくもこれほど多くの種類の植物があるものだと感心しました。

13.オリオンからの友達

彼らの母星はオリオン星雲の方向にありました。そのため、私たちは彼らの惑星自体を「オリオン」と呼ぶようになりました。オリオンの人たちの肉体も、やはり精妙な波動でできていました。彼らは、地球人の目にも見えるように精一杯波動を粗くしていたのですが、それでも肉体が透き通って見えるのでした。

私は、彼らの母星がどのようなものか、科学者として興味を持ちました。ベーエルダとどう違うのか、知りたいとも思いました。質問しょうとしても、もちろん言葉が通じません。霊人たちと交信するときのように、心の中で彼らに呼びかけてみました。

しばらくして、彼らの中のひとりが私の呼びかけに気づいたようです。こちらに向かってきました。でも、地上を歩く感じではありません。地上数センチのところをふわりと飛びながら、こちらに向かってくるような足取りです。とても知的な風貌の男性です。私の心の中の呼びかけに気づいてくれたのでした。

すぐに、彼とテレパシーで話せることがわかりました。彼も科学者だったのです。オリオンは、芸術だけでなく科学も発達していることを教えてくれました。今回の大移住でも、芸術家ばかりでなく、科学者も相当数来ているとのことでした。今回のメンバーの中では、カイトロンという人が科学者たちのチーフを務めていることもそのとき知りました。ベーエルダには科学者で九次元レベルの人はたくさんいましたが、オリオンのような芸術の惑星でもそのレベルの科学者がいるというのが驚きでした。

彼から聞いたオリオンの人びとの生活は、ベーエルダとは対照的でした。とても牧歌的なのです。人びとの住む家と家の間はかなり離れていて、家の近くに森があって、森の中にはシカなどの野生動物がいるそうです。そして、動物たちとはテレパシーで話ができると言っていました。とても印象的だった彼らの背中に生えている羽根について聞いてみました。

「オリオンではみんな羽根を生やしているのですか?」
「ほとんどが生やしていますが、中には生やしていない人もいます」

「それはどうしてですか? 階級の違いとかでしょうか?」
「階級制度というものは、私たちの母星ではありません。まったく自由意志によるものです。いらないと思えば生やさなくてもいいのです」

「その羽根で空を飛ぶことができるのですか?」
「私たちの母星ではできました。ここでは無理のようです」
という会話をテレパシーでしたのを覚えています。

ベーエルダでは、飛ぼうと思えば空を飛ぶことはできました。
重力に対して、それに拮抗するような力を引いてくればいいだけでしたので、実際にやろうと思えばできました。ただ、彼らのように身体自体に羽根を生やして飛ぶという発想はありませんでした。

同じ科学者同士ということもあり、彼とはその後とても親しくなりました。私自身ベーエルダからやってきて、地球環境に適応できる肉体をつくるまでとても苦労したことも話しました。彼はとても興味深そうに聞いてくれました。同じ科学者として、彼には私たちの苦労がわかるのでした。出身惑星が違っても、今は同じ地球人として歩んでくれる仲間ができたことがうれしかったのです。

ただ、彼らの肉体は地球人とは違っていました。彼が地球の食べ物を口にすることはありませんでした。常にオリオンから持ってきたものを食べていました。オリオンの母星でもそうらしいのですが、彼らは食べる量がとても少ないのでした。すでに地球人の肉体になっていた私からすると、「こんなもので一日のカロリーが足りるのだろうか」といつも不思議に思ったものでした。

14.両性具有体

彼とかなり親しくなった頃、こんなことを聞いていいものかどうかと思いながら、聞いてみました。
「オリオンの人びとの中には、男性か女性かちょっと見かけではわからない人がいるみたいだけど」と言ったところで、彼は私の質問の意味を理解しました。

「彼らは両性具有体なんだ。もともと男性か女性だったけど、男女の魂がいっしょになっているんだ」と答えてくれました。その答えは私には予想外でした。
両性具有体のほとんどが芸術家だそうです。
彼は説明を続けました。

「魂というものはもともと男性体と女性体が一体としてつくられる。その後、男性体と女性体に分けられる。これは。オーム宇宙の普遍の真理だ。

オリオンでは魂のパートナーと呼んでいるんだけど、もともといっしょにつくられ、分かれた自分の魂の片割れを探す過程を重視している。探し出した自分の魂のパートナーと一体になることにより、魂が持っている本来の力が発揮され、さまざまなものを生み出せるようになるのだ。この宇宙のあらゆる創造原理の中に男性体と女性体の合一があることは、君も知っているだろう。

ただ、パートナーが誰なのかは、君たちが九次元と呼ぶレベルにならないとわからない。それまでの道のりを楽しむことも、私たちの人生の楽しみであると、オリオンでは古くから受け入れられていた。

ところが、芸術家たちの中に、九次元になるまでの長い道のりが我慢できない者たちが出てきた。早く自分のパートナーと一体になって、より完成度の高い芸術作品を生み出したいという欲求を持つ者が増えてきたんだ。

その結果、希望者にはその人の魂のパートナーと一体にするということが行われた。もちろんお互いに同意すれば、という条件付きだったことは言うまでもない。無理やりそんなことはできないからね。芸術家の中には希望者がけっこういて、実際に男女の一体化という処置が行われた。

自分の魂のパートナーというものは、九次元にならなくても、それまでの人生で、なんらかの形で出会っていることが多いのも事実だ。自分のパートナーがわかってみると、やっぱりそうだったのか、ということが多いものさ。相手も同じように思っていて、互いに惹かれ合っている場合がほとんどだった。どちらも芸術家の場合は、比較的スムーズに合意して合体した」

私は、彼の話を興味深く聞いていました。
「君は自分の魂のパートナーと一体化したいとは思わなかったのかい?」という私の質問に彼は、

「一度も思ったことはないね。自分のパートナーが誰なのか、簡単にわかっちゃつまらないじゃないか。九次元になったときの楽しみにとっておきたいからね。やっぱり人生は過程そのものをたのしまなくちゃ。魂は永遠だからね」と、ニコッと笑って答えるのでした。

「君だって、ベーエルダにいたときには思ってみなかったような経験が、この地球でできたじゃないか。そりゃ苦労も多かったけど、それも今となってはいい思い出になってるんじゃないのかな?」
と続けました。

「それもそうだね」と、私も笑って答えるのでした。

15.地上での別れ

オリオンからの移住者たちの肉体が、地球環境に適応できないことは明らかでした。それでも、地球人との間の結婚が奨励されていました。遺伝子操作ではなく、できれば普通に結婚して子どもができればいいと思われていました。

実際に結婚して子どもができたカップルも何組かありました。オリオンから来た人の中には、地上で何十年も肉体を維持できた人もいました。短い人は数か月でこの世を去っていきました。

彼らは肉体に対する執着というものがまったくありませんでした。
魂が永遠であることを知っていましたし、そのあと地球人の肉体で生まれてきて自らの役割を果たすという覚悟もできていたからです。この世を去って霊界にやってくれば、彼らの仲間たちがすでにたくさんやってきているということを知っていました。実際、霊界のあちこちで再会を喜び合う光景がありました。

私の友達となった彼も、結局一年ほどでこの世を去っていきました。私は霊界で彼と再会することを約束して、静かに彼を見送りました。一年というのは、魂の歴史の中では一瞬に過ぎません。でも、彼との思い出は、私の記憶の中に永遠に残っています。ほんとうに思い出深い一年でした。

実際には、当時の私には霊的能力がまだかなりあって、霊界にいる彼とはその後も毎日テレパシーで交信することができました。ですから、今の地球人がこの世とあの世に別れてしまうという感覚とは違っていました。それでも、肉体を持って地上で出会うというのはとても貴重な時間なのです。

面白いことに、地球霊界でもオリオンの人びとは羽根が生えた姿のままでした。
その姿は霊界でも美しいものでした。
背中に羽根のある優美な姿は、その後地球霊界の天使たちの姿になったのでした。
絵画などでよく目にする羽根の生えた天使の姿は、オリオンの人びとに由来するものなのです。

16.オリオンの役割

オリオンという惑星は実際に緑色をしているのですが、全宇宙に植物を供給する「植物のふるさと」の惑星でもありました。

緑は芸術を表す色であり、オリオンは芸術の惑星でもあります。ある程度の文化レベルに達した惑星で、もう一段高い芸術の花を咲かせようというときにオリオンからの移住者を受け入れることは、宇宙では一般的なことだそうです。それは、あとで聞いて知りました。ですから、彼らは宇宙中の惑星から引っ張りだこなんです。

ある程度その惑星にとどまり、芸術の花を咲かせたところでまた母星に帰るという、芸術の出前をしているような惑星だということも、あとから知りました。実は彼らも期限付きで地球にやってきていたのです。ですから、しばらくしたら、地球からオリオンに帰ることになっています。

地球の九次元霊たちが目をつけたのは、芸術の惑星という点だけではありませんでした。「植物のふるさと」というところもポイントだったのです。植物をたくさん地球に持ってきてもらい、地球全体を緑の植物で満たすという狙いがあったのです。植物が増えることにより、産出される酸素量も増えることになります。その結果、地球の周囲をおおうオゾン層を厚くしようという深い意図があったのでした。

実際オリオンの人びとが持ってきてくれた植物は、その後地球全土で増えて、オゾン層も次第に厚くなっていったのでした。

17.恐竜たち

私たちは、ベーエルダからウシやブタやネコのような哺乳類を持ってきました。オリオンからも、小さな動物ですがいくつか運んできました。それでも動物の種類が足りないという話が、またまた上のほうから伝えられてきました。「もっともっと増やしたい」という意向のようでした。

多種類の動物たちを地球で増やすためには、それだけの遺伝子が必要になります。当時の動物たちのDNAに変化を加えながら種類を増やすのでは、大変時間がかかることは明らかでした。そこで、九次元霊たちはいつものように宇宙連合の異星人たちと協議に入りました。彼らが下した決断がまた驚くべきものでした。

は虫類型異星人の母星から、巨大なは虫類たちを地球に導入するというのです。実際に巨大は虫類を宇宙船に乗せて連れてきたわけではありません。ほとんどが卵の状態か、遺伝子を冷凍して運んできたのでした。実際に地球で生まれたは虫類は、現在恐竜として知られている大きな種類でした。中には凶暴な性質のものもいて、実際に人間たちが彼らの犠牲になったこともありました。そのため、人間たちと恐竜たちの住む地域を分けることにしたのでした。

今では、恐竜の時代には人間はまだ現れていないということになっていますが、そうではなかったのです。同時期に地球に存在していました。ただ、生存する場所を分けたのです。地球が暖かい時期で、彼らはどんどん増えていき、その後一億年以上も地球に住み続けることになったのでした。

恐竜たちは、ある時期になると地球上から忽然と姿を消すことになります。恐竜絶滅の原因は、巨大いん石の衝突というのが最も有力のようですが、そうではありません。
実際には、恐竜たちだけが抗体を持たないようなウイルスの増殖が原因だったのです。地下から吹き上がるようにウイルスが発生したのです。私たちはもちろん、恐竜以外の動物たちには抗体がありましたので、なんともありませんが、恐竜たちはどんどん倒れていったのです。

どうしてそんなことが起こったのでしょう。それまでも新たな動きがあるときには、常に上からの意志が働いていましたが、今回も地球の九次元霊たちが決めたことでした。

恐竜たちの役割が終わったということなのです。彼らの生命エネルギーとDNAが地球に残りました。それらをもとにして、多くの動物たちをつくることができたのです。鳥類をはじめとする多くの動物たちが、恐竜から生まれました。恐竜たちにももちろん魂が宿っていました。

死んでしまった恐竜の魂たちは、どうなったと思いますか?
地球霊界に恐竜たちの王国を築いたのでしょうか。
いやいや、そうはなりませんでした。
その後地球に生まれる予定はなかったので、もとの惑星に帰されたのでした。

18.ペガサスからの移住者たち

恐竜たちがまだ元気よく地上を動き回っていた頃でした。またまた他惑星からの大移住という話が持ち上がりました。上の方がたは、まだまだ人間の数が少ないと考えているのでした。

「もっともっと人間の数を増やしたい。そして、地球全体を活性化させよう」「元気のいい人びとをたくさん地球に呼ぼうではないか」と盛り上がっていったのでした。地球九次元霊たちの間で合意すると、いつものように宇宙連合に出かけていって、手配を頼むのでした。

今から一億三千万年ほど昔、ペガサス座の方向から二十億人の人びとがやってきました。今回は、宇宙船で肉体を持ってやってきたわけではありません。全員が霊体でやってきました。二十億人の人びとを受け入れて、地球霊界は一気に拡大しました。

ペガサスの人びとは、それまで地球にやってきた中で最もバイタリティにあふれた者たちでした。彼らが入ってきて、地球霊界が一気ににぎやかになりました。

宇宙はオームの肉体を表していますが、ペガサスという惑星はオーム宇宙の「足」に相当する役割を持っているのです。地球に生まれた彼らは、まさに「地球のパイオニア」でした。どんな場所でも恐れず、開拓しながら進むのが彼らでした。彼らのおかげで、地球人類の活動範囲が一気に広がりました。

19.霊界の住み分け

霊界というのは、満員電車のようにひとつの場所にみんなが詰め込まれて存在しているわけではありません。宇宙の普遍の真理ですが、「波長同通の法則」というものがあります。「同じ波長のもの同士は引き合う」のです。逆に言うと、「違う波長のものはいっしょにはいられず、反発し合う」ということでもあります。

簡単に言うと、ペガサスから来た活動的な人びとと、セラビムの母星の人びとは、霊界では同じ場所にはいられないのです。人の出す波長は、地上ではあまり感じないかもしれません。しかし、霊界では「波長自体がその人の存在を表す」と言っても過言ではないくらい、波長の違いがはっきり出るのです。その結果、霊界での住み分けが起こるのです。

九次元霊界は人間としては最高霊域と言われています。
それは、九次元霊たちの能力が最も高いというよりも、彼らの持つ愛の深さ、愛の大きさが圧倒的だということなのです。結果として、そのあたりの波長が同じ存在が集まっているのが九次元霊界なのです。

誤解のないように言わせていただくと、ペガサスから来た人たちがみな、ただ動き回っていたわけではありません。身体を使って活動することを好む人びとだったことは確かです。

実際、彼らを率いてきたのはふたりの九次元霊でした。
現在ではゼウスとゾロアスターと呼ばれている方がたです。
愛深く、地球の人類たちを導いてきていただいた方がたです。

ペガサスからの移住者は二十億人と数も多く、比較的活動的な人間たちが多かったことは確かです。その結果、当初、彼らはそれまでのベーエルダやオリオンからの移住者たちとは違った霊域に存在する者が多かったということなのです。

その後、一億年以上経った現在では、どこから来た人たちだからどの霊域ということは言えなくなってしまいました。地球で生活する間に、それぞれが学びながらどんどん変化してきているのです。

20.多民族国家のような惑星

地球には、他惑星とは異なる際立った特色があります。
それは、多種多様な人びとがいるということです。
実は、ペガサス以降もそれほど大規模ではありませんが、たくさんの惑星から移住者を受け入れているのです。これは地球九次元霊たちの一致した方針であり、もちろん地球神霊たちの意志でもあります。

地球という惑星は宇宙でも他に例を見ないほどの多民族惑星なのです。
アメリカ合衆国が人種のるつぼと言われていますが、宇宙の中で地球こそ「人種のるつぼ惑星」なのです。それは、地上に生きているあなた方には実感できないかもしれません。

多様なものを受け入れる中で、地球オリジナルの愛の形を生み出し、それを宇宙に向かって発信しよう。それが地球という惑星ができたときからの共通理念であり、目標でもあるのです。確かに難しい目標なのですが、それを実現するために、私たちを育ててきたのが地球意識であり、地球九次元霊たちなのです。

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